新たな「音楽」と出会うのに「ゲーム」は役に立つ?

近年のビデオゲーム業界の台頭は、驚異的としか言いようがありません。コンサルティング会社のNewZoo社によると、世界のビデオゲーム事業は2018年に1380億ドルの売上を記録し、中国、インド、米国などの国では2桁の売上増を記録しています。さらに驚くべきことは、この業界の上昇ははじまりに過ぎない可能性が高い、ということでしょう。

Pew Research社によると、現在、世界でスマートフォンを所有している人は50億人を上回っており、中国やインドなどの東洋でインターネットと5Gが普及すると、さらに数百万人の人々がスマートフォンやインターネットを利用して、世界のゲームエコシステムにアクセスできるようになります。

こうして、ビデオゲームが世界のメディアの中で重要な位置を占めるようになったことで、企業やミュージシャンも、ゲームコミュニティにいかに効果的に参入するか、といった悩みを抱えるようになりました。

そこで登場するのが、Red Light Management社のゲーム部門責任者であるウィリアム・モリス氏。モリス氏は、10年以上にわたってゲームやeスポーツに精通し、ブランド、ビデオゲーム、音楽を世界中の地域に普及させてきた先駆者なのです。

モリス氏は、ゲーム事業に早くから取り組んでいたこともあり、TwitchやMurdaBeatz、ゼッドなどのミュージシャンとの提携など、業界で有数規模のパートナーシップを交渉することができました。

私は以前、米ロサンゼルスのオフィスでモリス氏に会い、彼のエンターテインメント事業におけるキャリア初期の経験や、彼と彼のチームがゲーム業界を新たな高みへと導くために、東洋のスマートフォン開発に大きな期待を寄せている理由について話を聞く機会がありました。

私は、Twitchがまだ始まったばかりの頃、親しい友人たちからTwitchを紹介され、若い世代がサイト上で交流している様子を見て、衝撃を受けました。そして、音楽とゲームの世界を、ライブストリームやインタラクティブなプラットフォームで融合させることができるのではないかと思いついたのです。

同時期に、カリフォルニア州のEsports Arena社のオーナーと出会い、彼らのさまざまなイベントや、アフターパーティシリーズを開催する計画について知りました。私たちは最終的にチームを結成し、ゲームやライフスタイルの分野で、エンターテインメントと音楽を組み合わせてEsportsを祝福する「EMX(Esports Music Experience)」というビジネスモデルを推進することになりました。

このことは、全く新しい環境やコミュニティに音楽を融合させることで、文化的な効果が得られるかもしれない、と感じた最初の出来事でした。たとえば、Smashコミュニティ向けの最初の2つのライブストリーミングイベントは、それぞれ15万人の観客を集め、当時は他に類を見ないものになったのです。

Twitch Primeとのコラボレーションにより、ジョエル(Deadmau5)が音楽とゲームへの情熱を追求するための手段を作り上げることができました。私たちは共同で、当時ジョエルが一番気に入っていたPUBG向けのスキンをデザインすることになりました。Twitch PrimeのPrime Dayでは、Deadmau5を戦略的パートナーとして起用し、彼のフォロワーやPUBGコミュニティに有機的なストーリーを伝えることに成功しました。プライム会員であれば、プライムデイの期間限定で入手することもできました。

Deadmau5は、同時期にニューアルバム「Mau5ville」をリリースしており、Twitchプライムデイの広告や放送部分で使用されました。その後、Deadmau5は一日の締めくくりとして45分のライブコンサートを行い、何十万人もの視聴者に向けて同時にライブストリーミングを行いました。

このようなゲーム・アクティベーションにDeadmau5を起用したことで、Deadmau5の視聴者数と音楽消費量が大幅に増加したことを実感。これは私にとって、その後のゲーム業界での交渉の仕方の基礎となりましたね。

他のどんなビジネスでもそうですが、「ゲーム業界」を真剣なものとして捉えなければならない、と私は考えています。