今、アメリカで注目を集める日本の音楽

ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグは、数週間前にNPRと会見し、バンドの次のアルバムから、優美な『ethereal』を含む2つの新曲を発表しました。ジェニー・ルイスが参加したほか、日本国内で有名なエレクトロ・ポップのクリエイターである細野晴臣氏の意外なサンプル曲も収録されていました。

細野氏は、伝説的なイエロー・マジック・オーケストラと半世紀にわたる画期的なソロ・レコーディングのおかげで、欧米ではようやくその名が知られるようになりました。

ただし1970年代初頭では、細野氏はヴァン・ダイク・パークスやリトル・フィートのローウェル・ジョージをプロデューサーに迎え、最初のバンド「ハッピーエンド」を結成しましたが、彼の音楽の多くは海外では受け入れられませんでした。

昨年末、「Light in the Attic」レーベルは復刻版シリーズをリリースし、マック・デマルコが初期のヒット曲「Honey Moon」をカバーしました(彼はまた、J.ディラやアフリカ・バンバータにも何年にもわたってサンプリングされています)。

ところが、ケーニッヒ氏が注目したのは、なんと細野氏の作品でした。「1980年代に、日本の「無印良品」の店舗のためにこの楽曲を制作しました。この曲は、来店するお客様のショッピング体験を促す雰囲気づくりのため、セッティング曲として作りました。」とコメント。

音楽業界やYMOが言うところのBGM、つまり背景に流す音楽です。欧米ではBGMというと、退屈なムザークや淡々としたエレベーター・ミュージックを思い浮かべますが、日本のアンビエント・ミュージックには、もっと面白い背景があります。

Light in the Atticから発売された『Kankyo Ongaku: Japanese Environmental, Ambient, and New Age Music 1980-1990』は、その音楽には穏やかな表面と優しい音色以外にも、ダダイズム、フルクサス、フランスのニューウェーブ、神道、さらには企業の大盤振る舞いやハイパーキャピタリズムなどのルーツが絡み合っていることを明らかにしていており、トーンセットの音楽に関して、大掛かりな研究をした内容となっています。では一体、日本の環境音楽のサウンドは、どのようにして西洋で人気を得たのでしょうか?

Animal Collectiveのサンプリングであるザンフィル、Iasosやララージのようなオリジナルのパイオニアのルネッサンス、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーやケイトリン・オーレリア・スミスのような21世紀の魔法使い的存在、Light in the Atticのリハビリセット「I Am the Center」など、好みは人それぞれかと思いますが、『Private Issue』をはじめ、ニューエイジ・ミュージックが10年近く前からクールな界隈で広まっています。

1950年〜1990年に台頭したアメリカのニューエイジ・ミュージック。もしかしたら、授業の後に、ハタヨガのプレイリストが頭の中で流れていたという方もいるのではないでしょうか?しかし、1980年代の日本の音楽シーンで起こっていたことのほとんどは、西洋人、もっと言えば西洋のヒップスターにとっては別世界でした。

ポートランド在住のアーティスト、スペンサー・ドーラン氏は、2010年7月に『Fairlights, Mallets, and Bamboo』というミックスを、音楽に強い関心を持つサイト「Root Strata」に公開しました。このミックスが好評だったため、その後、日本の環境音楽をテーマにした書籍『Music Interiors』が出版され、表紙には日本の著名な建築家である槇文彦氏の個人的なリビングルームの画像が掲載されました。

『Music Interiors』は、バブル期に環境音楽が企業とどのように結びついていたかを調べるために入念に企画されたものだと、ドーラン氏はメールで教えてくれました。

「ハイパー資本主義の下で、ライフスタイルをコントロールするためのツールとして、この時代の社会経済的状況は、音楽を金銭的に支えるだけでなく、その必要性を示していました。」とコメント。

またドーラン氏は、同ミックス曲を『Kankyo Ongaku』のモデルとしており、選曲はともかく、ミュージシャンの面では初期のミックスに似通っています。ちなみにジャケットカバーには、槇氏が設計した岩崎美術館の写真が使われています。